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ドクターに学ぶ透析

「透析とは何?」「どんな治療をするの?」「普段注意が必要なことは?」。
透析患者さんやこれから透析を始める方は、さまざまな疑問や不安を感じることがあるでしょう。
そこでより良い透析生活を支えるために、治療や気を付けたい症状、食事、運動など、透析に関する知識をドクターに学びます。

透析病院の選び方 〜長いおつきあいができる施設と出会うために〜

青木 尚子 先生河北透析クリニック 院長

現在、日本全国で約4400の医療施設が、約33万人の透析患者さんの健康を担っています(日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況 2016年12月31日現在」より)。初めて透析を導入するときや転居の際など、どのようなことに留意して透析施設を選べばいいのか―――知っておきたいポイントを、青木尚子先生に教えていただきました。

医療施設の種類と機能

― 透析治療を行う施設には病院やクリニックがありますが、施設の種類によって違いがあるのでしょうか?

 まず、「病院」とは入院できるベッドが20床以上ある施設、「クリニック(診療所)」は入院施設がないか、あっても19床以下の施設をいいます。「病院」の多くは複数の診療科があるので、合併症が起こったときに他の診療科と連携してより専門的な治療を受けられたり、すぐに入院できたりする利点があります。ただ、病院の中には入院治療が必要な病気をもつ患者さんだけを対象とする施設もあります。特に大学病院での透析治療は、心臓病などリスクの高い疾患をもつ患者さんが対象となることが多いです。一方、療養型病院(療養病床)は、症状は安定しているものの長期にわたる療養生活を必要とされる患者さんを対象とした入院施設です。療養型病院にも入院透析治療を行う施設があります。

透析施設を選ぶポイント

― 透析施設を選ぶ場合にはどのような点に着目すればよいでしょうか。

 まず、血液透析、腹膜透析のほか、在宅透析、腎移植など、施設によって提供できる腎代替療法が異なります。血液透析を行う施設が最も多いのですが、その中でもリハビリテーションや食事指導、フットケアなど、施設ごとに重点を置いていることが異なります。最近は高齢の透析患者さんが増えており、透析治療でベッドに横になる時間が多いためにフレイル(筋力や活動が低下した虚弱状態。転倒などのリスクが高い)になりがちです。フレイル予防を目標とした食事療法を指導してくれる施設や、運動習慣がない方であれば、透析リハビリ・運動療法を提供できる施設を選ぶのも良いと思います。
 また、合併症やシャントのトラブルへの対応も重要です。合併症については、日ごろからのリン、副甲状腺ホルモン(PTH)値の管理はもちろんですが、何か合併症が起こったときに専門の病院に迅速に紹介してもらえる体制があるかどうか、シャントのトラブルが起こったときに、院内でPTA(カテーテル治療の一種でバルーンを入れ血管を拡げる治療。バルーン拡張術)を実施することができるか、治療に対応できる病院との連携があるかなどは、確認したい点です。なお、日本透析医学会では「透析医療の自主機能評価指標」の公開を進めています。これは、施設の診療体制や設備、専門医や技術管理を担う専門スタッフが充分にいるかどうか等を事実に基づいて公表するものです。

― 施設によって医療費は異なりますか。

 自治体によって助成金の額が異なりますが、治療費自体は変わりません。ただ、食事の提供の有無、テレビや送迎サービスの利用料の有無、院内での介助が必要な場合、院内にヘルパーがいるか等は施設によって異なります。

医療スタッフとのコミュニケーションを大切に

― 透析導入にあたり、これから長期にわたって透析治療を担う担当医師やスタッフとどうしたらよい関係を築けるだろうかと考える患者さんもいらっしゃるかと思います。 医療者の立場から、アドバイスをいただけますか。

 何でも遠慮なくスタッフに話していただき、コミュニケーションをとることが大切だと思います。特に治療や通院に不安や疑問がある場合、それが解決されないままでは前向きな気持ちで治療を受けることができません。医師だけでなく看護師、技士、管理栄養士、事務職員など、ご自分にとって話しやすいスタッフで構いませんので、不安や疑問も素直に話していただきたいと思います。血液透析治療の場合、スタッフは週3回、患者さんとお会いするので親密な関係を作りやすいという長所があります。日ごろは朗らかにお話される方であれば、口数の少ない日は体調が悪くて元気がないのだとスタッフが気づくこともできます。私たちは常に合併症などが出ないよう、患者さんの長期にわたる健康状態に責任をもたなくてはいけないと考えながら日々の診療を行っていますが、医療者側からだけの一方通行のコミュニケーションでは限界があります。やはり双方向のコミュニケーションがとても大切です。

― 安全な透析治療を行う上で留意することはありますか。

 透析治療は患者さん本人の自己管理が不可欠な治療です。いくら私たちが注意していても、自己管理が不十分だと透析中の体調変化が起こりやすくなります。透析日以外の日の体重変動を抑えることや、塩分、水分の摂取制限を守るなどの自己管理が大切であることを理解していただきたいと思います。また、おくすりの飲み忘れにも注意してください。もし、おくすりの種類が多くてのみきれない場合は、医療スタッフに伝えれば別の方法を提案させていただくこともできます。自己判断で服薬を中止することは避けてください。

患者さんへのメッセージ

 患者さんは、透析治療を続けることをつらいと感じられるかもしれません。ご家族も精神的な負担や、費用のことなど、さまざまな不安を感じていらっしゃるかもしれません。でも、患者さんやご家族のそばには、私たち医療スタッフがついています。ご高齢の患者さんについてはケアマネージャーとも連携し、さまざまな社会保障制度、介護サービスの利用などを提案することもできます。一人で不安や悩みを抱え込まず、いっしょに透析生活を乗り越えていきましょう。

お話を伺った先生

青木 尚子 先生

河北透析クリニック 院長

病院のご紹介

病院名 社会医療法人 河北医療財団 河北透析クリニック
所在地 東京都杉並区阿佐谷北1-18-9
TEL.03-3336-2500(代表)
関連施設 河北総合病院、河北健診クリニック、河北リハビリテーション病院、河北家庭医療学センター、介護老人保健施設シーダ・ウォーク、河北医療財団看護専門学校
Webサイト https://kawakita.or.jp/touseki/index.html

河北透析クリニック 外観

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