結果発表
患者さん部門
グランプリ
菊池 ひとみ さん

準グランプリ
江東区腎友会 木村 つね子 さん

〈受賞コメント〉
腎臓保存期が長く、食事療法を教えてもらってからは、自分で料理を作るのが大事だと思いました。3年前に同コンテストで受賞してからは、江東区腎友会で料理教室の講師をさせていただくことになり、受賞メニューを仲間と楽しく作って食べました。今回の料理は「七夕さま」に海ガメをあしらい、色彩や形で楽しい食事をと考えました。元服飾デザイナーの感覚を活かして、奥が深い透析食ですがオシャレでおいしいメニューにと考えています。また透析機械の性能が良い分、栄養も抜けるそうなので、痩せないようにしっかり食べたいと思います。
佳作
門松 操 さん

〈受賞コメント〉
私が毎日食べているものが腎臓にやさしいのか、また他の方は日頃どのような食事をなさっているのか知りたいと思い、応募しました。よそ行きではなく、手に入りやすい食材や地元の特産物、飽きない味付けなどを意識しながら、食品交換表を見てレシピ作りに挑戦しました。途中、何度か挫折もしましたが、今回の受賞につながって「ごほうび」をもらった気持ちです。日々の食事をサポートしてくれる妻や、親戚も大変喜んでくれました。これからも病院の先生や栄養士さんのアドバイスのもと、人生を楽しんで過ごしていきたいです。
サポート部門(保存期腎不全食)
グランプリ
小田内科クリニック
高橋 輝美子 さん 佐々木 彩 さん
重森 まり さん
朝食
昼食
夕食



〈受賞コメント〉
当院では定期的に料理教室を行っており、患者さんのご希望に沿って、具体的で取り組みやすく、おいしいレシピを提案しています。今回応募した作品は「春」をテーマに教室でも作ったレシピです。地元広島の旬の食材を使い、季節感や色彩を重視して、制限食であっても満足感の高い食事を目指しました。食事制限がある中で、「食べるものがない」「まずくて続かない」と思われる患者さんも多いのですが、実際に腎臓食を作ってみると「薄味で上品な味」に仕上がります。そこで少しでもストレスを軽減し、食べる楽しみを感じるレシピをお伝えしたいと考え、今回の応募につながりました。
準グランプリ
市立伊丹病院 栄養管理担当
朝食
昼食
夕食



〈受賞コメント〉
市立伊丹病院では、日頃から調理師や栄養士が一緒になり、特殊食品を使用したメニューの開発を行っています。こうした食事や取り組みについて多くの方に知っていただきたいと思い、応募しました。レシピの特徴は、「地産地消」を一つのコンセプトとして、兵庫県内の名産品を中心とする食材にこだわったことです。また素材の持ち味や香り、風味などを生かすことで減塩にも配慮し、薄味でもおいしく食べられる料理に仕上げました。患者さんのために愛情を込めたレシピが受賞につながり、大変うれしいです。
佳作
株式会社DPPヘルスパートナーズ
朝食
昼食
夕食
間食




〈受賞コメント〉
弊社では、患者さんに食事改善のサポートを行う他、定期的に低たんぱく・低塩の料理教室などを行っています。教室では、患者さんと一緒に食材を量って調理をしたり、質問に答えたりしています。私たちは、「たとえ食事療法をしていても、食事はおいしく楽しいものだと感じてもらいたい」と常に考えています。低たんぱく食はどうしても、量が少なく味気ないと思いがちです。しかし「減塩=薄味」ではないということを伝えたいと思い、応募作品では、ボリュームがあってしっかりと味を感じられる食事になるよう工夫しました。
サポート部門(透析食)
グランプリ
中央内科クリニック
栄養管理サポートチーム
朝食
昼食
夕食



〈受賞コメント〉
特別な制限を感じることなく、食事を楽しんでいただきたいという思いのもと考えたメニューで、このような賞をいただけたことをスタッフ一同大変喜んでおります。今回、味はもちろん、見た目や栄養バランスなど総合的に見て、患者さんが「作ってみたい」「食べてみたい」レシピについて考えました。例えば、朝食は短時間で用意ができ、見た目にも鮮やかで朝からやる気の出るようなメニューにし、昼食や夕食は量や味付けを調節しやすいお弁当や、せいろ蒸しにしています。今回の受賞を励みに、管理栄養士と医師やスタッフが連携して患者さん一人一人の生活環境や意思を尊重しながら食事をサポートし、今後の更なる活動につなげていきたいと思います。
準グランプリ
医療法人医誠会 医誠会病院
江口 友希世 さん
朝食
昼食
夕食



〈受賞コメント〉
日頃から「制限の食事療法」ではなく「食材の選び方や調理の工夫を発見し、楽しむ食事療法」の提案を心がけています。また、できる限り患者さんが家族との団らんの食卓を楽しめるような工夫や、一人ひとりの生活背景を考えた個別性を大切にした食事の提案を行っています。平成22年から糖尿病や生活習慣病の予防・改善のためのレシピを紹介するリーフレットを患者さんに配布しており、こうした提案をする上でも、コンテストに入賞することが目標の一つでした。この受賞を糧に、今後も患者さんに寄り添ったメニューを作り続けていきたいです。
佳作
医療法人仁心会 南園クリニック
岸田 千恵 さん
朝食
昼食
夕食



〈受賞コメント〉
患者さんの食事をサポートする中で心がけているのは、まず食生活の状況をできるだけ把握することです。その方にとって「必要なもの・必要でないもの」を、数字ではなく料理の写真でイメージしていただけるようなレシピ提案に力を入れています。また地産地消を大切に、すぐ手に入る旬の食材を使って、その時季に合ったメニューを、病状に合わせておすすめしています。今回の応募メニューも、昼食・夕食の主菜の材料は、他の食材でも代用が可能です。体調や嗜好に合わせて選べるように工夫しました。
教育部門(保存期腎不全食)
グランプリ
至学館大学 井上研究室
田中 利奈 さん

〈受賞コメント〉
昨年の応募の際は受賞につながらず、今回もう一度チャレンジしたいと思いました。グランプリをいただいて、驚きとともに大変うれしいです。私は、低たんぱくごはんをおいしく召し上がってほしいと思い、献立に盛り込みました。知り合いのおばあさんとの会話をヒントに生まれた「ロールキャベツ春巻」は自信作です。また、味のバランスにも配慮して、デザートとして口あたりの爽やかな「さっぱりゆずゼリー」もプラス。どの世代にも楽しんでいただけるメニューになったと思います。家族で食卓を囲んだ時に、体だけでなく心も温かくなってほしいという願いを込めました。
準グランプリ
至学館大学 井上研究室
三野 蒔帆 さん

〈受賞コメント〉
腎臓病の患者さんは栄養成分の制限があり、食べられる食品の種類や量に配慮が必要です。そこで今回、低たんぱく食でよく食べられている「低たんぱくごはん」を使って、いつもと違うおいしい食べ方ができないかと考えました。冬にぴったりの鍋には、きりたんぽのようにして入れ、デザートのおはぎにも使用して、粒あんやきな粉ではなくこしあんを合わせることでカリウムを抑えるなど工夫をこらしました。今回の応募はとても良い経験になりました。将来は、患者さんの病気や栄養状態を考えた上で、さらに喜んでもらえる食事を提案できる管理栄養士になりたいです。
佳作
京都栄養医療専門学校
水上 歩美 さん

〈受賞コメント〉
昨年学校で開催された「透析食講習会」で患者さんと交流を持つ機会があり、その時に栄養成分によって食事制限があることや、ラーメンや鍋などを控えるようにしていても食べたくなることがあるというお話を聞きました。そのお悩みに少しでも役立ちたいと思い、今回の献立を考えました。メニューの中で特に注意した点は、主菜の鍋に入れる野菜の組み合わせを、カリウムが多くなりすぎないようにしたことです。卒業後は、健康増進に力を入れている分野で、健康な方・疾患のある方に関わらず、一人ひとりのQOLの向上に向けて取り組む仕事をしたいと思っています。
教育部門(透析食)
グランプリ
至学館大学 臨床栄養コース
木村 優那 さん 新海 みのり さん

〈受賞コメント〉
私たちはそれぞれの家族が入院を経験し「病院食がおいしくない」という話を聞いていました。そこで「患者さんがおいしく楽しめる料理を作り、入院生活でのストレスを減らしたい」という思いから、管理栄養士を目指しています。このメニューは、実際に自分たちが患者さんの立場に立った時、どのようなものが食べたいだろうと考えたのが原点です。まず食べたいものを考え、作る工程を簡単にし、栄養素量を満たしながらバランスや見た目の良さにも留意しました。私たちは現在2年生で、目標に向かって毎日勉強中です。これからも、必要な技術や能力を高められるよう、日々努力を重ねていきます。
準グランプリ
京都女子大学 宮脇研究室
石井 恵梨 さん 米田 沙世 さん

〈受賞コメント〉
私たちは卒業研究として透析患者さんの食事調査を行っており、その中で「自宅での食事を十分に楽しめない」という声を多く聞きました。そのうちに、管理栄養士の卵として、厳しい制限の中でもおいしく手軽に食事を作れないかと思い、透析食について考えはじめました。今回のメニューは、京都を意識しています。京料理の特徴である「だし」を使って旨みを効かせ、大幅な減塩に成功しました。いつかこのレシピを、調査に協力してくださった患者さんに食べていただけたらうれしいです。そして全国の透析患者さんに、この京料理で心も体も温かくなってもらえたらと思います。
佳作
NIU栄養科 林ゼミ 11期生

〈受賞コメント〉
私たち4人は同じゼミに所属しており、透析患者さんのQOLや食事管理について調査を行っています。受賞の知らせを受けてとても驚き、同時に大変うれしかったです。コンテストの趣旨である「楽しく作って、美味しく食べて、長生きできる透析食」を考える上で、栄養管理はもちろん見た目でも満足できる食事を心がけました。副菜に生野菜を使っているためカリウムの制限に苦労しましたが、主食のピラフに比較的カリウムの少ないイカを使用することで、全体的にバランスが良くなりました。カラフルな見た目や、器にもこだわり、華やかな食卓になったと思います。
〈受賞コメント〉
バイエル薬品のホームページを見たことをきっかけに応募しました。
普段の食生活や実際の食事を他の方に見ていただく機会はないので、日々の自炊を見直す意味でも、応募することだけで意義があると感じました。メニューは、今回のために特別考えたものではなく、いつもの食卓で食べているものの中から、バランスを考えて組み合わせ献立にしたものです。これからも栄養を偏らせることなく、一方でリンやカリウム値に気を付けながら、「おいしい」と感じられるストレスフリーの食生活・治療を続けていきたいと思います。