Mental Care

心も健康でいるために

透析を受けている方に役立つ
EASE(イーズ)プログラムとは? 第2回

EASEプログラムを活用することで
自己管理がしやすくなる

岡美智代先生が開発しEASE(イーズ)プログラムと名付けられたこのプログラムは透析を受けている方をはじめ慢性疾患を持っている方の行動変容を支援することを目的にしています。
EASEは日本語で「気軽」という意味があり、患者さんがセルフマネジメントできるよう医療者が手助けするプログラムという意味もあります。
今回はピア・ラーニング法と行動強化法についてうかがいました。

自己効力感を高めるピア・ラーニング法

 ピア・ラーニング法のピアとは仲間・同輩という意味で、自分と同じ立場の仲間と同じ目標を持ち、共に学ぶことで自己効力感を高める効果が期待されます。自己効力感とは、自分には目標に到達するための能力があると感じることです。例えば決められた通りに薬を飲む、のどが渇いていても水分を控えたりすることができるという感覚のことです。特定の行動に対し、根拠のある自信ということです。もし、透析を受けている方が「水を飲むなと簡単に言うけど、大変なんですよ。みなさんどうやっているでしょうか」と他の方に関心を示したら、自分と同じ立場で同じ目標を持つ仲間から話を聞き、共に学ぶことで「自分にもできるのでは」という自己効力感が高まるのです。

報酬の繰り返しによる習慣化

 次に行動強化法についてお話しします。行動強化法とは目標行動を遂行することで強化因子(透析を受けている方にとって好ましいこと)を与える方法です。例えば「水分管理なんかやっても意味がない」と思っている方がいるとします。その患者さんに水分管理の目標を与え、それがうまくいった場合、ちょっとした報酬(プレゼント)や医療スタッフの賞賛が繰り返し得られれば、その方は、水分管理が苦痛でなくなり習慣化できるのです。そして次の行動目標が達成しやすくなります。
 これは行動直後の自分にとって好ましいことが起きると、同じ行動を繰り返し行うよう条件付けられるという行動療法の考え方に基づいているのです。

体験者の感想

北条 学さん(透析歴23年半)
西片貝クリニック腎友会

私は今、ピア・ラーニング法のための場を準備をしています。透析を受けている方の多くは、病院スタッフなどから水分摂取や食事などに関して注意されても、「この辛さがわからない人に言われても......」という気持ちになったりします。しかし、例えばのどが渇いても我慢しなければならない辛さを知っている方同士の言葉なら、「自分にもできるかもしれない」「我慢できるかもしれない」と思えると思うのです。多くの方に参加してもらい、さらに他の方たちにも伝わってほしい。そうすることで、食事や水分管理の手助けだけでなく、透析初心者の方の不安を少しでも和らげることができるかもしれないと思っています。

岡 美智代 先生

看護師として病院勤務の後、筑波大学大学院で医学博士取得。
山形大学・北里大学助教授として看護教育に携わる。
現在、群馬大学大学院保健学研究科教授。
看護師の経験を活かしEASEプログラムを開発。
現在はその普及に向けたマニュアルの制作にも取り組む。
ホームページにてEASEプログラムについての相談を行っている。
http://oka.dept.health.gunma-u.ac.jp/~michiyo/

岡 美智代 先生

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