透析を受けながら活躍する人々

掲載:2015年 vol.20

齋藤茂樹さん
会社の玄関前で。
「病気にならない方法を、患者の立場で発信しています」という齋藤さんを頼って訪れる人もいる。「一人で悩まないで。人と話すことは、心が軽くなるし情報も集まって良いですよ」。

一人でも透析になる人を少なくできたらと、
自らの体験を活かし続けたいです。

齋藤 茂樹さん

有限会社富士ヘルス 代表取締役

齋藤 茂樹さん
1944年、福島県生まれ。高校卒業後、精密機器メーカーに入社。1985年に慢性腎臓病と診断され、これを機に退職。1988年、富士宮市に「有限会社富士ヘルス」を設立。1989年、血液透析を導入。その後C型肝炎への罹患がわかる。現在は、慢性腎臓病・糖尿病・肝臓病の方に向けた食事療法用食品・高度管理医療機器などを販売する一方で、自らの経験に基づき「自己管理の重要性」を発信する活動も積極的に行っている。

慢性腎不全、そしてC型肝炎。
病を乗り越えて、夢に向かい歩んでいます。

齋藤 茂樹さん

日常で「食事」「生活習慣(冷えや肌乾燥などへの対策)」「ストレス」とうまく付き合い、自己管理をすることが大切と話す齋藤さん。

 透析を始めて、今年で26年になります。35歳の頃、当時勤めていた会社の検診で尿たんぱくを指摘されましたが、あまり深刻には考えていませんでした。その頃は高度経済成長期で、自分のことよりも仕事。私は早朝から夜遅くまで働き、「不規則な食生活」「睡眠不足」の日々を長年続けました。そうして近くの病院へ行った時には、腎臓はかなり弱っていました。しかし処方してもらう薬を飲み、私はこれで大丈夫だと安心していました。
 ところが偶然見たNHKの番組で、腎臓病には食事の栄養管理も必要不可欠だったのだと初めて知ったのです。「しまった!」と思いましたよ。その時にはクレアチニンの数値が3になっていましたから、本当にショックでした。私はすぐテレビに出演なさっていた医師を頼って東京の病院へ出かけていきました。そこで4年間栄養指導を受ける中で、食事の大切さを学ぶとともに、治療と並行して自己管理を行うことの重要性もひしひしと感じました。このことをきっかけに、私は当時勤めていた会社を退職し、1988年に富士宮市で有限会社富士ヘルスを設立しました。
 その翌年、45歳の時に血液透析を始めました。導入当時は、貧血がひどかったんです。そこで輸血をしてもらったら、1週間後に高熱が出て血圧も急に上がってきました。劇症型肝炎が疑われましたが、本当の原因は「輸血によるC型肝炎ウイルスへの感染」でした。その頃は輸血のチェックレベルがまだまだ低かったのです。C型肝炎のウイルス検査が国内で確立されたのは1993年のことでした。
『あなただけは透析にさせたくない』

『あなただけは透析にさせたくない』
(kindle版 電子書籍)
26年にわたり透析を行ってきたご自身の経験をもとに、さまざまな情報や知見・アドバイスを収録(2005年発行の書籍を、昨年電子書籍版として再リリース)。

 相次ぐ病に落ち込むこともありましたが、できるだけ多くの方が透析をしないで良いように活動していくことが私の使命だと思って仕事に力を入れてきました。富士ヘルスでは現在、慢性腎臓病・糖尿病・肝臓病(主にC型肝炎)の方に向けて、食事療法用食品や自己管理商品を販売しています。2008年には医療機器の販売免許も取得して、私のように透析の方の体調を維持改善できる機器なども取扱い、全国の方々にご案内しています。その一方で、自分の経験を生かして「自己管理や、食事を含めたトータルケアの重要性」を発信し続けています。私は会社の定期検診で体の状態がわかりましたが、検診の機会がない方もいらっしゃいます。また、正しい医療知識に触れられない方も多いでしょう。そういった人に情報を届けて、少しでも体が楽になったり気持ちが前向きになってくれたら、これほどうれしいことはありません。先ほどもお話ししましたが、これは私の使命なのです。透析になったことは、きっと何か意味があるはずです。国費で長らく治療を受けさせていただきました。今の活動を通して社会へ何かお返しがしたいと思っています。
 私には、これから実現したい大小さまざまな夢があります。もし生きている間に形にならなくても、いつか実を結んで多くの方のお役に立てれば良いなと思っています。また、いつも近くで支えてくれる家族やスタッフへの感謝を胸に、これからも明るく前向きに歩み続けていきたいです。

会社(店舗)のご案内

有限会社富士ヘルス

【有限会社富士ヘルス】
静岡県富士宮市錦町2-10
TEL/0544-23-2060
(定休日/毎週土・日・祝日)
http://www.fuji-h.co.jp/

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