透析を受けながら活躍する人々

掲載:2016年 vol.23

丸山 條治さん
「例えば腎友会など、患者さんのコミュニティーに参加していない場合、なかなか情報が手に入りにくい。
そういう方たちに有益なニュースを届けることで、一人ひとりが自分にとって快適な透析や生活スタイルを選択する一助になれば」と丸山さん。

自分の好きな「文章」を活かし、
患者の立場・目線で、日々情報発信をしています。

丸山 條治さん

会社員

丸山 條治さん
1968年、東京都生まれ。大学卒業後、情報通信系企業に就職し、教育・人材開発企画などを担当。2013年に退職後、現在の株式会社ペイシェントフッドに就職。自社ホームページを中心に、編集・ライター・カメラマンとして活躍。一方で、大学4年生の時に慢性腎不全と診断され、14年の保存期を経て血液透析を導入。2009年から始めたロードバイクで家族と一緒に東京・横浜などへ出かける他、文章を書くことが好きで社会人になってからも大学へ通うなど、アグレッシブな活動が印象的。

患者自身も、透析について
よく知ることが大切だと実感。

丸山 條治さん

芸大時代は、文章を書くだけでなく、若い人たちの作品にふれるのも楽しく、「才能を押し上げたい」と同人誌を製作。「今後も機会があれば、小説などを書きたいですね」。

じんラボ

http://www.jinlab.jp

腎臓病や透析に関する基礎知識をはじめ、Q&Aコミュニティ、最新のサポートなど、患者を応援する情報が詰まったサイト。丸山さんが「よしいなをき」のペンネームでお届けするエッセイ「よしいなをきのココロのカタチ」も人気。

じんラボに「デパ地下」開店!
〜成分・栄養調整食品一覧を公開しています〜

じんラボでは、患者さんの食事をサポートする「成分・栄養調整食品(治療用特殊食品)」をご紹介。個人に必要な制限・調整に合わせ、スムーズに探して購入できるよう、商品情報を一覧でご案内しています。

http://www.jinlab.jp/basic_list/
foodlist.html

私が慢性腎不全と診断されたのは、大学4年生の時でした。当時、就職先もほぼ決まり、これから社会への第一歩を踏み出すという中、周りの同級生たちの明るさと対照的に、「どうして自分だけ」と失望を感じたのを覚えています。就職後は、働きながら食事と運動の制限を続けました。特に運動は、当時医師から「分速5メートルで歩いてください」と言われてほとんど体を動かせませんでしたね。でもそのおかげか、気が付いたら保存期は14年になっていました。その後、血液透析を導入したのですが、透析を始めた途端、体が一気に楽になりました。保存期が長かったせいで、14年目にはむくみやだるさといった不調を感じていたので、それが解消されたのでしょう。
 最初の2、3年は快適でした。でも、もともとシャントが細かったこともあり、次第に血量が多く採れなくなってきました。そこで透析時間を長くする必要が出てきたのですが、もともと4時間でも長いと感じていたし、当時は子どもが小さく可愛かったので10分でも早く家に帰りたかったんです。しかしこの1回10分が重なり、必要な透析時間を縮めてしまうと、将来的には大変なことになると気付きました。それは、「オンラインHDF」という透析方法の存在を知ったことがきっかけです。
 私は透析を導入する時、医師の「日本の透析は進んでいるから、全国どこでも大丈夫」という言葉をそのまま受け入れていました。でも、世の中にはさまざまな透析の種類や考え方があり、それを自ら選ぶことで人生を充実させている人がいるということを知ったのです。この時、医師は頼りにする専門家ではあるけれど、自分のことは自分でももっと知らなければいけないと実感しました。その後、シャントの再手術を行い、オンラインHDFを行っている病院に転院しました。現在は、3日のうち2日は5時間、1日は5.5時間透析を行っていて、自分の生活スタイルや体調を考えると、ベストな方法を選べていると思います。
 ところで私は今、株式会社ペイシェントフッドという会社で、インターネットを中心に編集・ライター・カメラマンとして活動しています。まだ前社に勤めていた頃、将来的に透析を予感していたためか「自分から会社の仕事を取ったら、何が残るだろう」と自分の適性について考えていた時期があり、「そういえば子どもの頃から文章を書くのが好きだったな」と思い当たりました。そこで仕事を続けながら、大阪芸術大学の通信教育で学ぶことにしたのです。良い先生にも恵まれて、自分で作品を書く傍ら、一緒に学ぶ人たちの素晴らしい作品にふれて同人誌を作成したこともあります。こうした経験を活かせないかと思っていた時、弊社の代表・宿野部に出会いました。「患者自身が自立を」「患者の立場で情報発信を」という志に強く共感し、私も一緒に活動したいと思いました。自分と同じ透析患者の声を伝えたり、腎臓病や透析に関する情報を発信することで、患者自身の透析生活に役立てたり、患者同士や家族間のつながりができればと願っています。それが私の使命であり目標でもあります。

ページトップへ