掲載:2016年 No.25

携帯電話で手軽に健康管理!iPhone・iPad 専用アプリ 腎臓ノート
アプリを開発された先生
𡌛村(のむら)信介先生

鈴鹿回生病院 腎臓内科 腎臓センター長
𡌛村(のむら)信介先生

日本腎臓学会専門医(指導医)、および日本透析医学会認定医(指導医)。同院でさまざまな分野の専門家による医療チームを結成し、腎臓病治療にあたる。腎疾患のなりやすさや嚢胞性疾患・遺伝性腎炎の診断治療をはじめ、CKD対策、災害対策などの啓発活動も積極的に行っている。

 慢性腎臓病の患者さんは、日々の健康管理が大切です。食事の際に摂取する栄養成分への配慮はもちろん、以前はあまり推奨されていなかった運動も健康維持のために良いことがわかり、日常的に体を動かすことがすすめられています。また、採血結果の記録などもチェックして、自身の健康状態を知っておくことも必要です。しかし、これらは意識していなければ忘れてしまったり基準を超えてしまうこともあり、悩んでいる患者さんも多いのではないでしょうか。
 そんな方のために、鈴鹿回生病院・腎臓内科の𡌛村先生は、携帯電話で簡単に健康管理ができるアプリケーション「腎臓ノート」を開発。「性別や生年月日、身長、体重など基本情報を設定し、あとは日々の数値を入力していくだけ。運動量やeGFR(腎臓の働きを示す数値)、再診スケジュールまで記録でき、過去まで遡って管理もできます。データが蓄積されれば、月単位や年単位でも推移が確認できて便利です」と𡌛村先生。iPhoneやiPadをお持ちの方なら、「腎臓ノート」で検索し、アプリをダウンロードしてすぐに利用できます。そして料金は無料です。それでは、アプリの詳しい機能をご紹介しましょう。

※【アプリケーション(アプリ)】目的に合わせてコンピューターを動作させるプログラム(データ)。

腎臓ノート便利な5つのポイント

1. 携帯電話を持ち歩くだけで、1日の歩数を記録。


ミスタージンゾー

 腎臓病患者さんには、健康づくりのために日々の軽い有酸素運動がおすすめです。体に負担がかかりにくく、特別な機材も不要で続けやすいウォーキングなどが良いでしょう。そこでiPhoneのヘルスケア機能と連動し、携帯電話が万歩計になる機能を搭載。また1日の歩数は、距離や消費カロリーとともに自動的に記録され、週や月、年単位で運動量を確認することができます。また、歩数に合わせて楽しく変化するオリジナルキャラクター「ミスタージンゾー」も魅力。歩く前は眠ったままの「ミスタージンゾー」ですが、歩数が増えるにつれて起き出し、活動を始めます。歩数データの蓄積や、キャラクターの変化を楽しみながら、ウォーキングの習慣が身に付きます。

2. eGFRの数値を管理。


グラフで確認できるので、変化がわかりやすい画面
記録された1日の歩数(左)や、腎臓の働きを示すGFR値(右)は、グラフで確認できるので、変化がわかりやすい。
(画像をクリックすると拡大します。)

 血液をろ過して体内の血液をきれいにする働きのある糸球体が、1分あたりどれくらいの血液をろ過し、尿をつくれるかを示す数値を「eGFR(推算糸球体濾過量)」といいます。つまりこれは、腎臓がどれほど機能しているかを知る手がかりになります。年齢や性別といった基本情報に加え、診察日に計測したクレアチニン値を入力することで、eGFR値を自動的に算出。データは記録され、折れ線グラフで数値の推移を確認することができます。また、過去に遡ってデータを入力することもできるので、これまでの採血記録をお持ちの方はぜひ活用してください。腎臓の働きの変化を、より長期的な視点で見つめることができます。

3. スケジュール入力で、診療予約日を忘れない。


お知らせが表示された画面

 外来通院が長くなると、うっかり予約日を忘れたり、日にちを間違えたりすることもあるのではないでしょうか。そこで診察が終わった後に、次回の予約日を入力しておくと、前日にアプリを起動した際に、「明日は診察予定日です」というお知らせが表示されます。施設によっては、再診の直前に日にちや時間の変更をすることが難しい場合もありますので、ご自身の健康のためにも、ぜひスケジュール管理にお役立てください。


お知らせが表示された画面(左)
毎日アプリを起動させるのを習慣にすれば、診療予約日を忘れない!


メモ欄画面
健康クイズ画面
メモ欄(上)は気付いた時にすぐ書き込め、保存しておける利点も。健康クイズ(下)で透析に関する知識も身に付く。
(画像をクリックすると拡大します。)

4. 気付いたことを書き込める日記(メモ欄)付き。

 日頃の養生の中で気になったことや、医師や管理栄養士からのアドバイスなどを書き込める日記(メモ欄)が付いています。気付いたことを自由に入力して、活用してください。

5. 週に2回、「腎臓病クイズ」が届く。

 毎週木曜日と日曜日に、クイズが配信されます。内容は、食塩を中心に栄養に関するものや運動についてなど、腎臓の働きに関係するものです。これらは、鈴鹿回生病院で腎臓医療に関わるさまざまなスペシャリストによって考えられたクイズで、楽しみながら食事や運動に関する知識を身に付けられます。



𡌛村先生

 現在、アプリの機能は厳選されたシンプルな内容になっていますが、今後は各部門との連携によって、さらに充実させていく予定です。基本情報として「在住の県名」を入力すると、公開講座などその地域における慢性腎臓病の活動情報を受け取れるようなサービスも、将来的に実現させたいと計画中です。「透析導入を先延ばしできるように、保存期の方の健康管理に、ぜひ活用してほしい便利なアプリです。患者さんと医療関係者との、日ごろのコミュニケーションツールとしてもおすすめです」と𡌛村先生。毎日の健康づくりに、ぜひお役立てください。

鈴鹿回生病院 腎臓内科 腎臓センター


鈴鹿回生病院 腎臓内科 腎臓センター

鈴鹿回生病院は、透析と慢性腎臓病に関する専門施設「腎臓センター」が開設されて4年目。𡌛村先生を中心に、医師・看護師・栄養士・薬剤師・検査技師・放射線科・臨床工学技士・ソーシャルワーカー・リハビリ療法士・運動指導士のスペシャリストがチームとなり、さまざまな視点から患者さんをサポートしています。腎臓病に関する情報を幅広く紹介したオリジナルのパンフレットを作成するほか、3月の腎臓月間には院内に展示スペースを設け、広く啓発活動を行っています。

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