掲載:2018年 No.33

楽しく作って、美味しく食べて、長生きできる 透析・腎臓病食レシピクッキング&セミナーin 岡山&愛知

(岡山)透析患者さんとCKD患者さんが参加。レシピは岡山県立大学の学生さんが考案。

医療法人 杉の会 杉本クリニック 杉本太郎院長

医療法人 杉の会 杉本クリニック 杉本太郎院長。これから透析について学びたいというCKDの患者さんにも、リンのはたらきについてわかりやすく説明。

岡山県立大学 保健福祉学部 栄養学科の平松智子先生

患者さんに調理のポイントをアドバイスする、岡山県立大学 保健福祉学部 栄養学科の平松智子先生。

 岡山県でのセミナーは、岡山県立大学で開催。はじめに、杉本クリニックの杉本太郎先生による講演が行われました。テーマは『CKDとリンのお話』。リンは体にとって必要な成分である一方、血中のリンが増えすぎると骨がもろくなったり心臓に負担をかけるなどの症状を引き起こす「副甲状腺ホルモン」が増えます。また高リン血症による血管石灰化のリスクが高まるといった理由からも、摂取量に注意が必要であると話されました。当日のセミナーは透析患者さんだけでなくCKD(慢性腎臓病)の方も多く参加されており、「どうやってリンを制限すれば良いか知りたい」と話されていた患者さんにも大変参考になったようです。
 講演の後は、岡山県立大学 保健福祉学部 栄養学科の平松智子先生の指導のもと、調理実習が行われました。今回は透析患者さんとCKDの患者さんのどちらにもおすすめのメニュー4点を同大学の学生さんが考案。参加者のみなさんは、各班の学生さんのサポートのもと、レシピに沿って調理していきます。さらに今後自宅で調理される時の参考にと考えられた「リンが少ない1品メニュー」4点も並べられ、各自の体調などに合わせて試食。調理から試食まで和気あいあいと進み、「思ったより野菜が食べられるんだなと発見がありました」「私はCKDで薄味を心がけていますが、今日の料理は減塩しながらもちょうど良い塩加減でおいしかった」と大変好評でした。何より「透析食は制限が多く味気ないというイメージが変わり、食事を工夫する楽しみを知った」という声が多く聞かれました。

(愛知)講演ではリンや塩分について詳しく学び、減らす工夫をアドバイス。調理実習のレシピも好評。

藤田保健衛生大学 医学部 腎内科学の稲熊大城先生

「健康な方もリンの摂取には注意が必要なんですよ」と話す藤田保健衛生大学 医学部 腎内科学の稲熊大城先生。

名古屋文理大学 健康生活学部 健康栄養学科の鈴木富夫先生

名古屋文理大学 健康生活学部 健康栄養学科の鈴木富夫先生。調理実習での解説のほか、講演では減塩とリンの管理について、家庭でも取り入れやすい工夫を紹介。

 愛知県のセミナーが開催されたのは、名古屋文理大学。藤田保健衛生大学 医学部 腎内科学 稲熊大城先生の『リンのとりすぎに注意』と題された講演でスタートしました。腎臓の働きが弱ってくると体内(血液中)のリンの値が高くなってきますが、体調の変化など自覚症状があらわれにくいため定期的な検査が必要だといいます。また、たんぱく質とリンの量は比例するわけではなく、同じたんぱく質の量でもリン値が高い食品と低い食品があるので知っておくと食品選びの参考になります。他にも加工食品には保存料などの食品添加物として無機リンが多く使用されているので健康な人も注意が必要なこと、さらに透析患者さんは十分な透析を行い、お薬なども活用しながら腎臓の健康を保ちましょう、と話されました。
 調理実習では、名古屋文理大学 健康生活学部 健康栄養学科 鈴木富夫先生の指導のもと、4品を調理。同大学の学生さんと一緒に、1時間で調理を進めていきます。完成した料理は「味付けがよく、ボリュームもたっぷり。満腹です」「デザートまであるのがうれしいですね。レモン果汁の味がしっかり味わえました」とみなさん大満足。「家でも作ってみたい」という声も聞かれました。
 最後に、鈴木富夫先生による講演『透析食のポイント 〜減塩とリンの管理〜』が行われました。「調味料(特に塩分)は食材の表面に付けることで、少量でもしっかり味わえる」「スープに塩分や水分が多い麺類を控える」「汁物は、味が薄いものを1杯飲むよりも、半量にして1日1回以内にして満足感を得る」など、今後毎日の食事で参考になるポイントを教えていただき、好評のうちに閉会となりました。

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掲載2016年 vol.26
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