掲載:2015年 vol.20
沖縄本島のさらに南方。
近ごろ、海外からも熱い注目を浴びている美しい島々があります。
今回は、八重山諸島に位置する石垣島と竹富島、さらに今年「伊良部大橋」が開通した宮古島の3島をご紹介。
夏にこそ訪れたい、それぞれの島の魅力に迫ります。
沖縄本島の那覇空港から飛行機で約1時間。八重山諸島の玄関口である「石垣島」は、2013年に新石垣空港(愛称:南ぬ島石垣空港)が開港し、主要都市から直行便も就航したことでアクセス方法が増え、より便利になりました。島の気候は亜熱帯海洋性気候で、島内最大河川の宮良川河口では日本最大のマングローブ林(国天然記念物指定)が繁っています。他にも貴重な動植物が多く生息し、大自然の恵みに触れられるのが大きな魅力です。
石垣島には、透明度の高い美しい海を満喫できる絶景スポットが多数ありますが、中でも特に人気が高いのは「川平湾」です。川平湾は2013年、ミシュラングリーンガイド・ジャポンで3つ星を獲得しました。また同時に石垣島全体でも、2つ星を獲得しています。潮の流れが早いため遊泳は禁止されていますが、グラスボート(底がガラス張りになった船)で海中の景色を楽しめます。特にこの湾内は深浅の変化が豊かで、多様な種類のサンゴが見られるのが特長。カラフルな熱帯魚やイソギンチャク、二枚貝の中で最大級のオオシャコガイなども生息しており、間近で見る生物の生き生きとした姿はまさに感動的です。潮の流れによって見られる魚の種類や海の色が変化しますが、特に満潮時が海も澄んで多くの魚が鑑賞できます。
また白く輝くビーチは、きめ細かな砂の中から無数のサンゴが顔をのぞかせます。ゆったりと散歩をするだけで心地よく、穏やかな時間が過ぎていきます。
どこまでも続く透き通った海に、野生のしなやかな力強さを感じさせてくれる生き物。日中の石垣島はこれらとのうれしい出合いに満ちていますが、夜の空もまたひとしおの感動を誘います。驚くのは、星の数。夏、南北の空に架かる「天の川(八重山地方の方言でティンガーラ)」は、雲かと思うほど大小の星々が連なった帯がくっきりと見えます。また、眺める星々を大変近くに感じるのも石垣ならでは光景でしょう。さらに季節や気候条件によって、日本本州はもちろん北半球では見えない「南十字星(八重山地方の方言で、はいむるぶし)」が見えることもあります。
こうした石垣の夜空の魅力を詳しく伝えているのが、石垣島天文台です。国立天文台の観測研究施設でもあり、九州・沖縄地域では最大の光学赤外線反射式望遠鏡を使用した「天体望遠会」が毎週末行われています。
また、2002年に始まった「南の島の星まつり」は今では恒例になるほど人気のイベント。島全体で明かりを消し、みんなで芝生に寝転がって星を眺めながら、静かな時を過ごします。
伊良部(いらぶ)大橋
宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋は、今年1月に開通。全長3,540メートルで、通行料金無料の橋としては、日本最長を誇る。
南国ならではの樹木
ガジュマルは熱帯に生息する常緑高木で、樹木は防風林や生垣として利用されている。デイゴは最近では観葉植物としても好まれているマメ科の落葉高木で、沖縄の県花。春から夏にかけて、赤い花を咲かせる。ブーゲンビリアは宮古島市の市花。ピンクや赤、紫、黄などカラフルな色が魅力。
左上:ガジュマル(宮古島市 市木) 左下:ブーゲンビリア(宮古島市 市花) 右:デイゴ(沖縄県 県花)
与那覇前浜(よなはまえはま)
「東洋一美しい」と謳われ、約7キロメートルにわたって白砂の海岸が続く浜。トリップアドバイザーが選ぶ「日本のベストビーチ」の1位に3年連続選ばれた。対面には来間島が位置し、与那覇前浜にはこの来間島と宮古島を結ぶ来間大橋が架かる。