懐かしくて新しい
古き良き台湾をたずねて

掲載:2017年 vol.29

台湾

九份(きゅうふん)
 台北から国鉄とバスを乗り継ぐこと約90分。九份は19世紀頃に金鉱で栄えた町で、1971年の閉山後は一時衰退したものの、当時の面影を残す町並みや美しい景色が注目され、映画の舞台になったことで、今では有名な観光スポットに。夕方になると店先にともる提灯や、遠くに見晴るかす海も絶景。

日本と歴史的にも関係が深く、距離の近さから、近年は気軽に訪れられる観光スポットとして人気を集める「台湾」。
親日家の方が多く、他の国と比べて日本語でコミュニケーションが図れるシーンが多いのもうれしいところ。
今回は、台湾の楽しみ方を3つのテーマでご紹介。
この夏ぜひ訪れて、その魅力にふれてください。

気軽に行ける距離もうれしい。豊かな自然に恵まれた、“美しい島(フォルモサ)”※台湾。

 日本の南西に位置し、歴史的にも古くから深い関わりを持つ台湾。中心都市である台北(タイペイ)へは、飛行機で東京からは約3時間半、大阪からは約3時間、那覇からはなんと約1時間半という近さで、時差も1時間であることから、両国間を往来する旅行者も年々増えています。
 台湾はそのほぼ中央を北回帰線(北緯23度26分22秒)が通っており、北部は亜熱帯、南部は熱帯に属しています。そのため、夏は5月から9月頃までと日本よりも長くて蒸し暑く、冬は温暖で過ごしやすいのが特徴です。このような気候と、海に囲まれた地理に恵まれ、台湾では新鮮な魚介類や農作物、特に果物が豊富にとれます。また産業では、ITや電子工業の分野でも目覚ましい経済発展をとげ、日本との貿易も盛んです。台湾本島は南北にわたって山脈が走っていますが、鉄道や道路、航路も発達しており、一日で台湾を一周することもできます。

※16世紀中期、ポルトガルの船員が偶然発見した台湾の美しさに感動し、思わず「Ilha Formosa(ポルトガル語で「美しい島」の意味)」と叫んだと言われています。このことから、台湾は「フォルモサ」の名前でヨーロッパに知られることになりました。

地図 屋台が並ぶ基山街 屋台が並ぶ基山街

屋台が並ぶ基山街には一日中多くの観光客が訪れる。

その1 台湾の歴史にふれる

忠烈祠(ちゅうれつし)

忠烈祠(ちゅうれつし)

 辛亥革命をはじめ、中華民国建国やそれに関わる革命、日清戦争などで戦没した約33万人の英霊を祀るため、1969年に創建されました。その建築は故宮の大和殿を模しており、お堂の中には、革命の様子を描いた絵画や壁画、烈士の胸像などが展示されています。また、毎正時に行われる衛兵の交代式も必見。訓練を重ねた衛兵たちの一糸乱れぬ動きは見事です。

衛兵の交代式

毎正時に行われる衛兵の交代式。石畳には、これまでに衛兵たちが歩いた跡がくっきりと残っている。約20分の華やかな儀式が終わると、英霊を祀る荘厳な忠烈祠は、静かな空気に包まれる。

忠烈祠
忠烈祠

中正記念堂

 中華民国の初代総統である蒋介石を顕彰する施設で、1980年に完成。台湾のシンボル的な存在で、広大な場所に堂々と佇む姿が圧巻です。正面中央の本堂には蒋介石の6.3メートルもの大きな席座像が設置され、後ろには蒋介石の基本政治理念であった「倫理・民主・科学」という三民主義が掲げられています。また天井には、国章である「青天白日」の徽章が描かれています。

中正記念堂

約25万平方メートルもの広い公園にそびえ立つ姿に圧倒される。中正記念堂は、その八角形が特徴的。台湾でも日本と同様、「8」はとても縁起の良い数字だと言われている。公園内では、朝早くから太極拳を行うグループがたくさんあり、声をかけて気軽に参加することができる。

中正記念堂
中正記念堂

メインフロアの天井にある「青天白日」の徽章。

総統府

 日本の統治時代に、台湾総督府(日本の出先官庁)として竣工。1919年の完成当時は「総督府」と呼ばれ台湾でもっとも高い建物でした。赤レンガの美しい建物で、日本の方角である東に向かって建ち、上から見ると「日」の字の形になっています。館内の庭には季節の花々が咲き、展示物などは数ヶ月ごとに変わるものもあるので、訪れるたびに新しい発見があります。

総統府

総統府は、平日の午前中に一般公開。現在も台湾の重要な施設として使用されているため、入口でパスポート提示やセキュリティチェックが行われる。日本語を話せるガイドスタッフが、歴史や建物について詳しく説明しながら館内を案内してくれる。

総統府

国父記念館

「国父」とは、辛亥革命の指導者である孫文のこと。孫文の称号(中山)を冠した中山公園に、生誕100年を記念して建てられました。唐代の様式を模した建築デザインで、屋根の黄色は陰陽説を反映させたものと言われています。エントランスホールには、高さ8.9メートルの孫文の席座像があります。また園内には庭園や「翠湖」と名付けられた池があり、地元の人たちの憩いの場にもなっています。

国父記念館

随時イベントや、書画などの展示会が行われ、終日地元の人々が集う場になっている。1階のエントランスホールで衛兵の交代式があり、吹き抜けになっている建物の構造上、2階から見ることもできるため、忠烈祠や中正記念堂とはまた違った視点で儀式を見学できる。

国父記念館

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