打田原(うったばる)海岸
サンゴの砂浜が続く打田原海岸。大きな粒のサンゴも残っている貴重な浜です。静かでゆったりと時間が流れ、古くから地元の人に愛されています。

鹿児島と沖縄に影響を受け、特有の文化が花開いた 美しい奄美の島々。

鹿児島と沖縄に影響を受け、特有の文化が花開いた 美しい奄美の島々。

 九州の鹿児島から約380km南の海上に浮かぶ奄美大島。奄美群島最大の島で、奄美の政治や経済の中心地であり、近隣の島への移動の要にもなっています。

 奄美の島々は鹿児島と沖縄の間に位置すること、また、かつては琉球王国やその後薩摩藩に属していたことから、両方の影響を受けた文化が根付いています。例えばシマ唄は、沖縄と似た形の三味線の演奏とともに唄われ、奄美独自の黒糖焼酎は鹿児島の芋焼酎や沖縄の泡盛と製造方法がとても似ています。

 また、その独特の自然環境も大きな特徴です。奄美大島の中南部には亜熱帯雨林が広がり、マングローブやヒカゲヘゴなど国内でも珍しい植物が生い茂り、そこには奄美ならではの固有種の動物や昆虫などが多く生息しています。さらに島を囲む海には、実に200種類以上のサンゴも。豊かな大自然に圧倒される奄美は、まさしく生き物にとっての“楽園の島”です。

パラグライダー(用海岸)
パラグライダー(用海岸)
奄美大島の北東部に広がる用海岸。岩場が少なく、美しい白砂の砂浜が人気です。スカイスポーツのパラグライダーが盛んで、上空から透明度の高い海を見渡せます。
地形ダイビング(与論島)
地形ダイビング(与論島)
洞窟や岩のアーチなど、変化に富む海底の地形を楽しむ地形ダイビング。与論島は海中宮殿や沈船などダイビングスポットが多くあり、冬以外の長い期間、楽しむことができます。

神秘的な風景が広がる奄美の森

 奄美の島々は、その昔、中国大陸や日本列島と陸続きになって離れるということを幾度となく繰り返してきました。そのため、大陸ではすでに絶滅してしまった絶滅危惧種の動植物が奄美では今も生息しています。また、生き残ったそれらは島内で繁殖するうちに島独自の環境に適応した固有の生体へと進化。このことから、今では奄美は「東洋のガラパゴス」と言われています。

ガラパゴスとは、南アメリカのエクアドル共和国に属する19の島で 形成される諸島。大陸から隔絶された環境で、生態系が独自に 進化を遂げた点が似ていることから、このように表現される。
神秘的な風景が広がる奄美の森

 奄美大島で、亜熱帯ならではの大自然を楽しめるのが島の中南部に広がるマングローブの原生林です。マングローブとは、主にヒルギ科の植物で、特定の植物ではなく「海水と真水が交わる環境に生息する植物」を指すカテゴリー名。水面下の土中に根を張り、その根は水中でも呼吸ができるように進化しています。マングローブの森は、カヌー体験が人気。南国の風を感じながら、その生態をじっくり観察するのもおすすめです。

“生きた化石”
ヒカゲヘゴ

 天然の広葉樹が多く茂っている金作原(きんさくばる)原生林。“生きた化石”と言われるヒカゲヘゴが、古代からの姿をそのままに残し、大きな葉を広げています。金作原は季節ごとの植物や島固有の動物も多く生息。散策は、ぜひツアーガイドの案内で。森の見どころをたっぷり紹介してくれます。

金作原原生林
金作原原生林

樹齢100年を誇る
ガジュマル

 奄美群島の1つである喜界島(きかいじま)の手久津久(てくづく)集落には、樹齢100年のガジュマルが佇んでいます。高さ17m、枝幅42mの巨木で、幹に無数の木根がまとい付いている姿は迫力満点です。

樹齢100年を誇るガジュマル
巨大ガジュマル

平坦な喜界島きかいじまを覆う
サトウキビ畑

 喜界島の土壌は養分が豊富で農業に適しており、サトウキビの栽培が盛んです。北部を中心に島の3分の1にサトウキビ畑が広がり、黒糖や黒糖を使ったお菓子は、島の名産品として幅広い世代に愛されています。

サトウキビの一本道
サトウキビの一本道

海岸に沿って立ち並ぶ
デイゴ

 加計呂麻島(かけろまじま)の諸鈍(しょどん)集落の海岸沿いには、約80本ものデイゴ並木があります。樹齢は300年を誇り、5月下旬から6月上旬には鮮やかな朱色の花が咲き誇ります。

デイゴ
デイゴ

驚きの多様な生態系に迫る!奄美の植物&生き物図鑑

驚きの多様な生態系に迫る!奄美の植物&生き物図鑑
国直海岸
珊瑚礁が細かく砕けてできた白い砂浜と、エメラルドグリーンの遠浅の海が広がる海岸。キャンプや海水浴を楽しむことができます。

山・森・林

アマミイシカワガエル

森の中や渓流の近くに生息するカエルで、鮮やかな緑色が特徴。奄美大島では一年中見ることができます。


アマミノクロウサギ

国の天然記念物に指定されているウサギで、「生きた化石」とも言われています。長らく天敵がいなかったため、耳が短くなるなど独自の進化を遂げました。夜行性で、夜には車道にも出てくるため、奄美大島には注意看板が多く設置されています。


ハブ

奄美の自然を知る上で、切り離しては語れないハブ。山地から平地、水たまりなど至るところに出没する毒蛇で、冬以外は活発に活動しています。特に山に多く生息し、人が分け入るのが難しかったことから、奄美の原生林が今まで残ってきたと同時に豊かな海も保たれていると言われています。


ハクセンシオマネキ

甲長12mm・甲幅18mmほどの大きさで、白っぽい体色が特徴。雄は片方の鋏脚が極端に大きく、繁殖期にこの鋏脚を振り上げることから名前が付きました。


ソテツ

奄美の人々にとって、古くから重要な役割を担ってきたソテツ。食糧が乏しい時代には、ソテツの実の毒抜きをして食べたり、伝統工芸の大島紬を作る際にも活用されていました。今でも島で大切にされています。


アダン

亜熱帯から熱帯の海岸沿いに生育する植物。実はパイナップルに似ており、熟すと鮮やかなオレンジ色になって甘い香りを放ちます。


特攻花(テンニンギク)

赤色と黄色の2色の花びらが美しい花で、喜界空港の周辺に咲いています。第二次世界大戦中、陸軍特攻隊の中継基地である喜界島から飛び立つ若者にこのテンニンギクの花束を渡したことから「特攻花」の名が付いたと言われています。

珊瑚礁

透明度の高い奄美の海には、色とりどりのサンゴが生息しています。近年の白化や大量発生したオニヒトデの影響をふまえ、奄美市では保護活動に力を入れています。


ザトウクジラ

大きいものでは体調15mにもなり、海面を飛ぶ様子は迫力満点。奄美群島には、冬から春にかけて子育てのために回遊してきます。


ウミガメ

奄美群島の近海には、アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイの3種類のウミガメが生息しています。春から夏にかけて、島の浜に上陸して産卵します。

ベニアジサシ

白・グレー・黒のモノトーンの羽色に、くちばしのオレンジ色が映えるベニアジサシ。奄美群島には夏に飛来して繁殖します。


オオゴマダラ

生息地の北限が喜界島とされ、羽を広げると15cmにもなる大型の蝶。奄美群島に生息する貴重な生き物で、保護に力を入れています。


ルリカケス

世界中で奄美大島と加計呂麻島、請島だけに住む鳥。鮮やかな青色と赤色の羽が特徴です。

日常に息づく奄美の文化

奄美を訪れたらぜひ体験したい独自の文化の数々。
工芸品や郷土料理、そして島の魂である唄や踊りをご紹介します。

シマ唄と島踊り

奄美三線(さんしん)

 奄美には伝統的な三線という楽器があり、沖縄で演奏されているものとよく似ています。奄美の三線は沖縄のものと比べて、弦が細く、太鼓(胴体の部分)に使われる皮が強く張られています。そのため、高く哀愁のある音色が奏でられるそうです。

奄美三線(さんしん)
シマ唄

 沖縄のイメージが強い「シマ唄」ですが、もともとは奄美群島で唄い継がれてきた民謡を指します。奄美の方言で「シマ」とは、故郷や自分たちが属する地域のこと。シマごとに唄があり、人々が集う場で唄われてきました。

シマ唄
シマ唄を歌ったり三味線の演奏の体験ができる「ケンムン村」。その他にも塩作りやお菓子作りもでき、奄美大島の文化や日常生活に触れることができます。
六調(ろくちょう)

 宴席などで行われる「唄と踊り」のことを、六調といいます。名前の由来はさまざまな説がありますが、一般的に「唄、踊り、三線、太鼓、口笛、かけ声」の6つが合わさることから、このように呼ばれているそうです。踊りは沖縄の「カチャーシー」に似ていますが、九州から伝わり進化しました。

六調(ろくちょう)

工芸品

本場奄美大島紬

 絹糸を手織りまたは平織りした着物で、奄美大島の特産品。泥染めをした絹糸を使うのが大きな特徴で、1300年の歴史があります。伝統的な柄が多く、全国でも高級な着物としてその名が知られています。

本場奄美大島紬
「大島紬村」では大島紬の歴史はもちろん、染めや織り、販売まで行っています。職人の技と織り上がった生地の美しさにため息が出ます。

郷土料理

鶏飯(けいはん)

 ごはんの上にほぐした鶏肉や錦糸卵、しいたけ、沢庵漬けなどの具材をのせ、丸鶏のスープをかけて食べる、だし茶漬けのような料理。パパイヤの漬物や刻んだタンカンの皮など、奄美ならではの食材を盛り付けることもあります。

鶏飯(けいはん)
もずくそうめん

 1本1本が太く、シャキシャキと歯ごたえのある奄美のもずく。よく洗って、麺つゆにつけて食べるのが「もずくそうめん」で、さっぱりと食べられるので食欲が低下する夏にもおすすめです。三杯酢や天ぷら、みそ汁などの料理も人気です。

もずくそうめん
黒糖

 1600年初頭、奄美大島の直川智翁によって中国からサトウキビが持ち帰られ、栽培が盛んになりました。このサトウキビから作られる黒糖は質が良く、奄美が薩摩藩に属していた頃は年貢として藩に納めるとともに、黒糖焼酎も献上していました。

黒糖
奄美黒糖焼酎

 奄美群島で造られている本格焼酎。原料にこだわり、奄美のサトウキビから採れた純黒砂糖と米麹を使って醸造し、単式蒸留を行っています。黒糖焼酎の中でも、奄美群島で奄美の原料を使い、決められた製法で造っているものだけが「奄美黒糖焼酎」と呼ばれます。

奄美黒糖焼酎
油ぞうめん

 そうめんに油と出汁、調味料を加えてからめ、上に炒めた野菜や肉、錦糸卵などを盛り付ける奄美の家庭料理。おやつ代わりの軽食としてもよく食べられています。

油ぞうめん

豊かな自然が息づく楽園 AMAMI「奄美」旅のおさらい

用海岸

奄美市笠利町大字用

アクセス〈最寄〉:
奄美空港から車で約30分。
用海岸

マングローブ原生林

奄美市住用町石原

アクセス〈最寄〉:
奄美空港から車で約1時間10分。
マングローブ原生林

金作原

奄美市名瀬朝戸金作原

アクセス〈最寄〉:
奄美空港から車で約1時間30分。
金作原

大島紬村

大島郡龍郷町赤尾木1945

アクセス〈最寄〉:
奄美空港から車で約20分。
大島紬村

ケンムン村

奄美市笠利町用安1246-1

アクセス〈最寄〉:
奄美空港から車で約10分。
(奄美リゾートばしゃ山村隣設)
ケンムン村

喜界島

大島郡喜界町湾水洗

アクセス〈最寄〉:
奄美空港から飛行機で約20分。
喜界島

加計呂麻島(諸鈍)

大島郡瀬戸内町

アクセス〈最寄〉:
奄美大島の古仁屋港からフェリーで約20分、「生間港」下船。
諸鈍はさらに車で約10分。
加計呂麻島(諸鈍)

おすすめのホテル

奄美リゾートばしゃ山村 浜やどり

奄美リゾートばしゃ山村 浜やどり

目の前にエメラルドグリーンの海が広がる、奄美で一番ビーチに近いホテル。プールのある開放的な宿泊棟の他、コテージも人気です。併設のレストランでは奄美の郷土料理が楽しめます。

奄美市笠利町用安1246-1
アクセス:奄美空港から車で約10分。
お問合わせ:0997-63-1178(9:00〜18:00)