中山の千枚田
700枚を超える大小さまざまな田んぼが段々に連なる、中山の千枚田。春には張った水にやさしい陽光がきらめき、秋には黄金色に輝く稲穂が揺れる風景が見渡せます。

多島美が広がる海と里山ののどかな風景が魅力。

多島美が広がる海と里山ののどかな風景が魅力。

 穏やかな瀬戸内海に浮かぶ、香川県最大の島・小豆島。本州や四国からの陸路(橋梁・トンネル)や空路はなく、船のみで渡る離島としては、国内最大の人口を有する島です。

中山農村歌舞伎
中山農村歌舞伎
江戸時代中期、お伊勢参りに出かけた島の人々が大阪で上方歌舞伎に触れ、衣装や名場面を描いた絵馬を島に持ち帰って神社に奉納したのが始まりと言われています。1987(昭和62)年に、舞台が重要有形民俗文化財に指定されました。

 その歴史は古く、「古事記」には伊邪那岐(いざなぎ)・伊邪那美(いざなみ)の二神が、日本で10番目に「小豆島(あづきじま)」を国生みしたと記されています。また「日本書紀」にも「阿豆枳辞摩(あずきじま)」という記載があり、その後「小豆島(しょうどしま)」と呼ぶようになったのは、鎌倉中期頃と言われています。

 小豆島は温暖な瀬戸内海気候で、みかんやオリーブ、すももなどが栽培され、素麺やしょうゆ、ごま油の生産地としても全国的に有名です。また、島の中央の山間部である中山・肥土山(ひとやま)地域では稲作も盛んで、美しい棚田が広がる風景は「日本の棚田百選」にも選ばれています。ここは「日本の名水百選」の一つである「湯船の水」の源泉の下に位置し、毎年おいしいお米が作られています。農村ならではの伝統行事は現在も受け継がれ、夏に竹の松明を持って畦道を歩き害虫退治をして豊作を願う「虫送り」や、「農村歌舞伎(中山農村歌舞伎・肥土山農村歌舞伎)」が毎年行われています。

名作『二十四の瞳』のノスタルジックな世界が広がる映画村。

二十四の瞳映画村
二十四の瞳映画村

 小豆島には、ゆかりのある多くの芸術作品や文学作品があります。中でもよく知られているのが小説『二十四の瞳』です。著者である壺井栄氏は小豆島の出身で、上京するまでこの地で過ごしました。小説は、瀬戸内海べりの村の分教場に赴任してきた大石先生と、個性あふれる12人の生徒、親、村人たちとのふれあいを描いています。昭和恐慌から太平洋戦争へと時代が進む中、その波にのまれていく人々の苦しみや悲しみ、戦争の悲惨さを訴えた作品でもあります。後年、映画化やドラマ化も行われ、今も多くの人の胸に感動を残しています。

 1987年に公開された映画「二十四の瞳」で、小豆島での撮影を行った際に使用した施設を活用したのが、映画と文学のテーマパーク「二十四の瞳映画村」です。映画で「岬の分教場」として使用された旧苗羽小学校田浦分校(1972年の閉鎖まで実際に村の小学校の分校だった校舎)をはじめ、壺井栄文学館、昭和映画の香りを存分に満喫できるギャラリー松竹座映画館が並び、一帯はノスタルジックな世界が広がります。

岬の分教場 岬の分教場
岬の分教場
醤油の仕込み蔵には
醤油の仕込み蔵には、熟成を促す酵母菌が生きている。
木桶で時間をかけてつくられた醤油はまろやかな味わい。

 400年以上の醤油造りの歴史を持つ小豆島。文禄年間(1592年〜1596年)に製造が始まり、豊臣秀吉にも献上されたと言います。明治時代には最盛期を迎え、当時は400軒もの醤油屋がありました。終戦後は、醤油を使った佃煮がつくられるようになりました。今も20軒以上の醤油工場ともろみ蔵があり、昔ながらの製法を守りながら、醤油や佃煮がつくられています。

 苗羽(のうま)地区・馬木地区には、「醤(ひしお)の郷」と呼ばれる一帯があり、近代以前からの醸造法である木桶仕込みを行う醤油蔵が日本で最も多く集まっています。その中で、マルキン醤油記念館(旧醤油醸造工場)と醤油醸造蔵が、1996(平成8)年に国の登録有形文化財に登録。その後も多くの文化財が登録されるほか、2009(平成21)年には33の施設が近代化産業遺産に登録されました。見学をはじめ商品の購入ができる工場や蔵も多く、日本の食文化の豊かさを再認識できます。

醤油蔵
醤油蔵
マルキン醤油記念館
マルキン醤油記念館
※ 見学は施設によって事前予約が必要です。
しょうゆソフト
しょうゆソフト

訪れる人々を静かに迎える、歴史ある島の聖地。

訪れる人々を静かに迎える、歴史ある島の聖地。

 平安時代初期に生きた真言宗の開祖・空海。讃岐の国に生まれた空海は、京の都への行き来の折、しばしば小豆島に立ち寄り、各所で修業や祈念をしたと言います。その場所を整備する形で1686(貞享3)年、小豆島の中の霊場をめぐる「小豆島八十八箇所」が定められました。

 その中でも、春に訪れたいのが常光寺です。醤油蔵が並ぶ「醤の郷」の近くに位置し、ソメイヨシノをはじめ、2月から3月のはじめには「ジョウコウジザクラ」と名付けられた桜が満開の花を付け、あたりを美しく彩ります。ご本尊には疾病を治癒して寿命を延ばすと言われる薬師如来が祀られています。清々しい空気が満ちた境内には、お遍路さんがお参りされるのはもちろん、近隣の方も散歩がてら気軽に立ち寄ります。

 日本最大のシンパク(真柏)が佇むのは、小豆島霊場第54番札所 宝生院です。シンパクとは、ヒノキ科ビャクシン属の常緑針葉高木。松と並ぶヒノキは、日本人の生活の中で古くから親しまれ、寺社のご神木としても崇敬されてきました。宝生院のシンパクは、根元の周囲約16.6メートル、樹高約20メートル。樹齢は1600年以上と推定され、応神天皇のお手植えによるものと伝えられています。国指定特別天然記念物にも指定。三方に枝分かれして広がる樹勢も旺盛で、神々しくも圧巻の迫力です。

訪れる人々を静かに迎える、歴史ある島の聖地。
瀬戸内屈指の国指定特別天然記念物・宝生院のシンパク
瀬戸内屈指の国指定特別天然記念物・宝生院のシンパク
小豆島大観音
小豆島大観音

 小豆島の土庄(とのしょう)町で出会えるのが、小豆島大観音(正式名:聖観世音菩薩)です。小豆島大観音佛歯寺(ぶっしじ)は、1985(昭和60)年にスリランカの佛歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)から釈迦の犬歯を寄贈されたのをきっかけに大観音像を建立。1994(平成6)年に竣工しました。大観音像の胎内には、本尊をはじめ約1万体の胎内仏が並ぶ他、仏歯を納めた仏歯の間があります。

訪れる人々を静かに迎える、歴史ある島の聖地。

小豆島の大自然を満喫できる絶景スポット

自然豊かな小豆島では、四季折々の風景が楽しめます。
春はもちろん、青葉がまぶしい夏、紅葉が美しく
オリーブの収穫期である秋もおすすめです。

道の駅 小豆島オリーブ公園

道の駅 小豆島オリーブ公園
国内栽培発祥の島でオリーブを満喫。

小豆島は、オリーブの国内栽培発祥の地。瀬戸内の穏やかな気候が栽培に適しており、約6万本の木が茂っています。この小豆島オリーブ公園には、2000本のオリーブやハーブが植えられた畑があり、秋には収穫祭も行われます。園内の施設ではオリーブを使った料理が食べられる他、多彩なお土産も揃います。

道の駅 小豆島オリーブ公園

瀬戸内国立公園 寒霞溪(かんかけい)

瀬戸内国立公園 寒霞溪(かんかけい)
断崖や奇岩群が連なる小豆島屈指の景勝地。

東西約7キロメートル、南北約4キロメートルにおよぶ大渓谷。1300万年以上前の火山活動とその後の地殻変動、風雨による浸食によって、断崖や奇岩群が多く形成されました。明治初期の儒学者である藤沢南岳が「寒霞溪」と名付け、1923(大正12)年には国の名勝に指定。渓谷と海を一望できる素晴らしい景色から、日本三大渓谷美、日本三大奇景、日本百景にも選ばれています。

エンジェルロード

エンジェルロード
潮の干満によって現れる自然の神秘。

潮の満ち引きによって現れたり消えたりする砂の道。引き潮の時には、小豆島から弁天島、中余島、小余島、さらに大余島まで道がつながります。隣接する「約束の丘展望台」は小高い丘にあり、エンジェルロードを見下ろすことができます。

中余島・小余島・大余島へは足元が危険な場所があるため、立入りはご遠慮ください。

日本の原風景をたずねる SHODOSHIMA「小豆島」旅のおさらい

中山千枚田

小豆郡小豆島町中山

アクセス〈最寄〉:
池田港から車で約10分。
中山千枚田

二十四の瞳映画村

小豆郡小豆島町田浦甲931

アクセス〈最寄〉:
坂手港から車で約15分。
二十四の瞳映画村

マルキン醤油記念館

小豆郡小豆島町苗羽甲1850

アクセス〈最寄〉:
坂手港から車で約5分。
マルキン醤油記念館

小豆島大観音

小豆郡土庄町小馬越乙1

アクセス〈最寄〉:
土庄港から車で約15分。
小豆島大観音

道の駅 小豆島オリーブ公園

小豆郡小豆島町西村甲1941-1

アクセス〈最寄〉:
草壁港から車で約5分。
道の駅 小豆島オリーブ公園

瀬戸内国立公園 寒霞溪

【寒霞溪ロープウェイ 山頂駅】
小豆郡小豆島町神懸通乙168

アクセス〈最寄〉:
草壁港から車で約35分。
瀬戸内国立公園 寒霞溪

エンジェルロード

小豆郡土庄町銀波浦

アクセス〈最寄〉:
土庄港から車で約10分。
エンジェルロード

おすすめのホテル

小豆島国際ホテル

小豆島国際ホテル

エンジェルロードのすぐそばに佇む、全室オーシャンビューのホテル。客室の大きな窓からは、瀬戸内の多島美も楽しめます。海の幸・山の幸が豊かな小豆島ならではの美味も自慢です。

香川県小豆郡土庄町銀波浦
アクセス:土庄港から車で約10分
お問合わせ:0879-62-2111